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遺産分割協議書に「相続を放棄する」と書き、“事実上の相続放棄”をすれば、債務も相続しないで済みますか?

債務を承継しない場合は相続放棄で

 家庭裁判所に相続放棄の申述をするのではなく、遺産分割協議書に「相続を放棄する」と記載したり、「相続分なきことの証明書」を提出して行う“事実上の相続放棄”は、特定の相続人にプラスの財産を承継させる方法としては、効果的な手段ですが、債務について特定の相続人に承継させる効力はありません。したがって、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も放棄する場合は、家庭裁判所で相続放棄の手続を行う必要があります。

「相続分なきことの証明書」とは?

「自分には相続分がないことを認めます」という宣言をした文書を「相続分なきことの証明書」といいます。たとえば、3人の相続人がいて、Aという相続人にのみ不動産を相続させる場合、共同相続人であるBとCが「相続分なきことの証明書」を提出すれば、遺産分割協議書がなくても相続登記ができます。相続人がそれぞれ遠方にいる場合など、遺産分割協議書の代わりとして利用されています。