死亡者に関する遺言の部分は無効
遺言書で財産を引き継ぐ者として指定された者が、遺言者よりも先に死亡した場合、その死亡者に関する遺言の部分については無効扱いとなります。つまり、遺言書の中の死亡者に関する遺言の部分は、財産引継ぎの指定がなかったものとなりますので、対象となる財産については、法定相続人による遺産分割協議を行って、どうやってその財産を引き継ぐかを決めることになります。
したがって、遺言者が遺言書で財産を引き継ぐ者として指定した者の死亡を知り、別の者を財産引継ぎ者として指定する場合は、①遺言書を書き直す方法、②財産引継ぎ者が遺言者よりも先に死亡する場合も想定した予備的遺言を記載しておく方法があります。
もし、財産を引き継ぐ者として指定した者が高齢の場合は、あらかじめ次順位の財産引継ぎ者を指定しておいたほうがいいかもしれません。予備的遺言は、たとえば「もしAが遺言者の死亡以前に死亡したときは、Aに相続させる財産をBに相続させる」というふうに書きます。