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遺言書はどこに保管するのがいいでしょうか?
死亡後に見つけやすい場所を考える
公正証書遺言と異なり、自筆証書遺言や秘密証書遺言は自分で保存・管理する必要があります。遺言書はふつう、中身は知られたくないが、自分の死亡後に見つけてもらわないと意味がありません。つまり、生前は見つかりにくく、死亡後は見つけやすい場所がもっとも適した遺言書の保管場所といえます。
では、それはどこか? 自宅であれば、たとえば通帳や保険証券など、大事なものをしまっておく金庫や鍵のかかる書斎机の引き出しなどが一般的でしょう。
逆に、外部に保管するという方法もあります。銀行の貸金庫を利用するという手もありますし、信頼のおける税理士や司法書士などの第三者に託してもいいでしょう。ただ、どういう方法で保管するにせよ、遺言書があるということを複数の関係者に分かってもらっておく工夫は必要でしょう。なお、貸金庫を使用している場合はせめてどの金融機関の支店の貸金庫を利用しているかくらいは伝えておく事をお勧めします。 -
遺言書を貸金庫で保管する場合の注意点はなんですか?
死亡後の開扉に難点がある
重要な書類の保管場所として、秘密の保持や盗難・紛失の危険がないといった点で貸金庫は優れているといえます。しかし、遺言書の保管場所としては、大きな難点があります。それは、遺言者が貸金庫の契約者の場合、遺言者が死亡し、いざ貸金庫を開けようとしたときに手続が面倒なのです。貸金庫を開けるには相続人全員の同意が必要になります。つまり、貸金庫を開けるには、相続人が誰であるかを明確にするとともに、相続人全員から貸金庫を開けることに関する同意を得ておかなければなrないのです。
以上のように、貸金庫は厳重な保管という面では優れている反面、契約者本人が死亡した場合、開けるのに手間ひまがかかるという大きなデメリットがあります。したがって、遺言書の保管場所として貸金庫を候補とするときは、貸金庫の開扉をどうするかという点についても、考慮しておく必要があります。 -
公正証書遺言はどのくらいの期間、保管されるのでしょうか?
遺言者の存命中は保管されている
公正証書遺言には、①公証人が遺言書を作るので、内容面でのちにトラブルになることが少ない、②遺言書の原本が公証役場で保管されるので、改ざんの心配がない、③家庭裁判所における検認手続が不要、といったメリットがあることから、遺言書を作るのなら、公正証書遺言が優れているといわれますが、公正証書で作成された遺言書の原本は、何年くらい保管されるのでしょうか。
公証人法施行規則では、公正証書の原本の保管期間は、原則として20年間と規定されています。また、この保管期間が満了となったた後でも、特別の事由により保存の必要がある場合は、その事由のある間は保存しなければならないとされており、遺言者の生存は特別の事由にあたるでしょうから、遺言者の存命中は保管されていると考えておいて構わないでしょう。もし、保存期間が気になるのであれば、公証人役場に確認しておけばいいでしょう。