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相続税はどのように計算するのですか?
正味の相続財産が基礎控除額以下であれば非課税
相続税は、次のような流れで計算します。
① 相続財産の総額(A)を算出する(マイナスの財産があるときは、プラスの財産から引きます)
② (A)から基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引いて課税遺産額(B)を算出する
③ (B)を法定相続分で財産を取得したと仮定して、各相続人の取得金額(C)を算出する
④ (C)から各相続人の仮相続税額(D)を算出する
⑤ 相続人全員の(D)を合計して、相続税の総額(E)を算出する
⑥ (E)を実際の相続割合で割り振り、各相続人の相続税額を算出する
なお、②の課税遺産額がマイナスの場合は、相続税はかかりませんので、③以下の計算は不要です。 -
相続税の申告期限、納付期限はいつまでですか?
申告、納付とも相続開始から10カ月以内
相続税の申告期限と納付期限は同じで、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内です。申告期限までに申告しなかった場合、無申告加算税や延滞税が課されます。
なお、相続税の納付は金銭による一括納付が原則ですが、延納や物納による納税も認められています。 -
相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらない場合、どうすればいいですか?
法定相続分に応じた仮定の相続税を納付し、あとで修正申告
相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらなかった場合、各相続人が法定相続分に応じて相続したものと仮定して相続税を計算し、各相続人がその相続税を納付する必要があります。そして、遺産分割協議がまとまった段階で、修正申告を行うことになります。
なお、仮の申告・納税の際には、「配偶者の相続税額の軽減」などの優遇税制を利用することはできませんが、申告期限から3年以内に修正申告をすれば、こうした特例も使えます。 -
相続税を計算する場合の不動産の評価は何を基準にするのですか?
土地の評価は路線価方式で
相続税を計算する場合、不動産は次の方法で評価します。
(1) 土地の評価…土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式があり、路線価が定められていないときに倍率方式を用います。
① 路線価方式
評価額=路線価×面積×補正率
② 倍率方式
評価額=固定資産税評価額×地域ごとに定める倍率
(2) 家屋の評価…固定資産税評価額 -
複数の相続人のうち、相続税を滞納している相続人がいる場合、納税義務はどうなりますか?
滞納者がいると連帯納付義務が課されることも
被相続人の財産を相続した相続人が複数いる場合は、各相続人は連帯して相続税を納付する義務があります。これを連帯納付義務といいます。
通常、財産の相続人全員が納付期限までに相続税を納税していれば、連帯納付義務が発生することはがありません。しかし、相続人のうち1人でも滞納者がいると、その滞納分について相続人全員が連帯して納付する義務を負うことになるわけです。なお、連帯納付義務が生じるのは、相続税を延滞している相続人に財産がまったくなかったり、何度督促しても相続税を納付しない場合に限られます。